2011年5月アーカイブ

4月28日より、ほぼ現地駐在に近い形で活動の指揮をとっていた松崎地域支援室長補佐より、さきほどメールが届きました。


10班(最後のチーム)は、現地での活動最終日を迎えました。

台風と潮の影響で北上川沿いの鉄板道路が通行止めになり、大きく迂回しましたが、無事に大須小学校に着きました。


初日より雨に見舞われた10班は、小学校校舎の廊下を水洗いして磨き上げ、炊き出し手伝いや体育館でのマッサージに従事してきましたが、浜の片付けは未体験でした。


__.JPG準備斑から9班まで受け継がれてきた、桑浜の清掃も体験することなく帰るのかと、思いを寄せていましたが、全員の思いが通じたのか台風一過の現地は晴天となりました。足立副学長の陣頭指揮のもと、綺麗な淑徳ビーチが戻って来ました。


これでひとまず活動の第一局面が終わります。私たちの行ってきたことは、本当に小さなことだと思います。しかし私たちの大須への思いは、時間の経過とともにさらに大きくなることはあっても縮小することはないでしょう。 33日間にわたる活動に携わった学生の皆さん、今回希望していながら行けなかった方々、そして何よりも、活動する私たちに笑顔の美しさと生きてゆく強さを教えてくださった大須の皆様方に、心より御礼申し上げます。

We'll?be back soon !

涌谷町長(2).JPG昨日26日、石巻大須地区支援のベースキャンプとなっている崑岳(ののだけ)観光センターに宮城県涌谷(わくや)町の大橋町長が188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@ボランティアチームを激励に来られました。
大橋町長からは、「宮城県民として大変こころ強く、感謝しております。遠くから長期間にわたり、県民をご支援頂いている188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@ならびに淑徳大生の皆さんに敬意を表するとともに、健康に留意して頑張っていただきたい」と、激励の言葉をいただき、あらためて気が引き締まりました。

涌谷町長と.JPG現地を去る8班と、活動を開始する9班のメンバー全員と記念撮影をさせていだだきました。


今日27日は、昼に涌谷町の社会福祉協議会職員とNPOメンバーを中心としたボランティアチーム「涌谷ゆいっこ」が、地元名物のおぼろ豆腐汁、ササニシキご飯に漬物、と地元の味を持ち込み炊き出しを行なうほか、地元民謡歌手を伴って「こころの物資提供」を大須小学校にて行なうことになっています。

この背景には、3年前に発生した「岩手宮城内陸地震」の際、188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@よりボランティアに参加した、当時188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@院生でボランティセンター常任支援員だった男澤聡子さん(現在、千葉東病院の精神保健福祉士)のお父様(元涌谷町助役)の多大なご尽力があります。

今回のベースキャンプ宿舎設置や、社協職員の方々とのコラボレーションも、このご縁なくしては実現し得ませんでした。

そのほかにも、多くのNPOの方々と出会い、物資補給についても(株)NRE様、(株)千坂様などとの偶然の出会いに助けられることも多く、「人のご縁」を強く感じています。

感謝の気持ちを、さらに奉仕活動へと振り向けていきたいと強く思っています。


千葉キャンパスのコミュニティ政策学部は、サスティナブルな福祉社会の実現のためには地域の再生が不可欠であるという認識に立ち、今後そうした場面で活躍できる人材を養成したいと考えています。その実践の場を提供すべく、「サービスラーニングセンター」を設置しています。

石川紀文サービスラーニングセンター長も、地域支援ボランティアセンタースタッフと共に4月当初より度々被災地入りしていましたが、3週間ぶりにキャンパスに戻り、下記報告がありました。大所高所からでなく、あくまでも「現場」にこだわったレポートとなっていますので紹介します。


  1. 「現場で考える」ことの重要性。現場に立ち、現場で考え、現場で決断してほしい。現場を離れると別世界となり、何が重要であるかが見えなくなる。
  2. 「スピードが命」。発生初期段階に限らず、支援にはタイミングがあり、日々変わっていることを把握できるのは現場。
  3. ある被災者の言葉。「日本にとって大震災は不幸だが、政治の貧困がさらに不幸に輪をかけた」。内向きの政争に明け暮れる政治家に被災者を始め国民ははうんざりしている。
  4. 今回の大震災において議会はどのような活動をしたのか検証が必要。前宮城県知事の浅野さんが新聞紙上で「一度議会を無くしたら。議会が無くて困ったという声は被災地からは聞こえて来ない」と述べていましたが同感です。
  5. 平常時の規則やルールに縛られ、未だに大震災に対応しきれていない。
  6. 保守的で改革を拒んでいた組織、動きが遅く住民の批判が集まっている。
  7. 仮設住宅の建設が進む中、入居後の生活はどうか。例えば仮設住宅の周辺が砂利で、高齢者等で転倒しケガする例が報告されている。
  8. 正式な避難所には物資が届いており、私達がいる避難所でも野菜やタマゴ等豊富であるが、数人で民家等に避難してケースの場合、行き届いてない。
  9. 国交省管轄と農水省管轄の港湾では港内のガレキ撤去作業で差が出ているが、私達がいる小さな入り江にある漁港はいまだに自力でやっている。
  10. 遠野市は震災直後から活動を開始し、翌日から市役所職員、市民一体となって炊き出しを行ない、釜石、大槌、大船渡、陸前高田に配食した。遠野市は以前から後方支援基地としての役割を認識し、計画を立てていたので直ちに行動できた。165団体(国の機関、大阪府や静岡県、東大等の大学、NGO、NPO等)が後方基地として遠野を利用し、最初の東大のチームはホテルの宴会場に寝泊りしていた。現在、遠野市は公共施設を開放し、10人ぐらいのグループであれば公民館で自炊、寝泊りできるようにバックアップしている。また「遠野まごころネット」を市内だけでなく全国の団体と一緒に立ち上げ、個人ボランティアの受け入れも当初から拒否していない。
  11. 復興プランに日付を!家屋を流失し、家族を失い、職を失った人に希望を与えるのは日付の入ったプラン。
  12. 教育現場からは、震災対応で授業が捗らず教育支援をしてほしい旨の話があった。また津波による死亡あるいは行方不明の教員、被災している教員も多く、教員が足りない声もあった。
  13. 私達が活動している小学校はバリアフリー化しており、校長先生が「避難所にいる高齢者には助かっています」というお話があった。
  14. 避難所にいる方の一番の心配は「関心が薄れること」です。


息の長い支援、熱の冷めない支援を、肝に銘じよう。


【第2班】5/4(水)~5/8(日)

今回のボランティアに参加し現地へ向かって、見る世界というのが変わりました。今迄テレビ越しのみだった現地の悲惨な姿、特につい二ヶ月前まで機能していて人がいた雄勝病院の廃墟としか思えない姿や浜に流れ着いた元々家屋だった木の瓦礫や割れガラスを見て、そしてそうした直接の原因である海の今は穏やかな様子を見てその恐ろしさを、その上で避難地である小学校で会った人たちの生きる力強さをまさに「実感」しました。

実践心理学科3年 地域支援ボランティアセンター常任支援員 四釜 脩

今回のボランティア活動を通じて、貴重な経験を得ることができました。 僕が一番思い出に残っているのは、炊き出しの時に一緒に料理を作った、地域のお母さん方との交流ができたことです。皆さん、とても笑顔で話しやすく、優しく接してくれました。また料理が美味しく、思いが伝わりました。お母さん方と仲良くなり、元気をあげることができました。この活動に参加する前までは、“見ているだけ、何もできない”自分がもどかしかったです。ボランティアに参加できて良かったです。また機会があれば、参加したいです。

コミュニティ政策学科1年 学生消防隊所属 大徳 誼之

宮城で見た事の中で最も印象に残った事は、雄勝の公園前に設けられていた仮墓地です。
ショベルカーで無造作に掘られた穴に土を被せた物の前に、名前もなく番号だけが書かれた棒が立っているだけの、本当に仮も仮の墓地でした。話によると、きちんとした墓が建てられるのに3~5年はかかると言う話を聞き、悲しい気持ちと共に、仮墓地の皆様が一刻も早くちゃんとした墓で安らかに眠れるよう願いました。

社会福祉学科 1年 地域支援ボランティアセンター常任支援員 泉 優介

ボランティアに行って自分が感じたのは子供たちの明るさ?心の強さでした。機会があって仲良くなれたのです。自分の感じでは、普通の子供たちでした。現状に悲観していなくて元気でした。その姿をみて、僕が元気をもらいました。僕自身も四泊五日のボランティアで被災地の皆さんに少しだけかも知れませんが元気をプレゼントできたとおもいます。

コミュニティ政策学科1年 地域支援ボランティアセンター常任支援員 石橋宗一郎

4月28日より、宮城県雄勝町大須地区にボランティアに入った学生が、活動を終えて戻ってきています。 準備班と第1班から正式レポートのほかに、簡単な感想の提出がありましたので、紹介します。

【準備班】4/28(木)~5/2(月)

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今回の大須小学校へのボランティア活動に参加し、改めて今回の震災の被害の大きさや怖さを感じました。ですが、その中にあって避難所で生活している方々の頑張りを肌で感じ、地元の為に尽くす方々に、自分たちもできる限りのことを手伝いたい、という気持ちをもって1週間のボランティア活動に励むことができました。

コミュニティ政策学部2年 ボランティアセンター常任支援員  中村 亮佑


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宮城にボランティアへ行った知り合いから「なんとも言えない」と聞いていましたが、実際に行ってみて初めてその言葉がわかりました。状況をみて津波の怖さを感じましたし、それ以上に、さらに津波の恐怖を知ることがありました。それは被災者の方が「波の音は聞きたくない」と言ったことです。長年、海の近くで暮らしてきた人が嫌いになるほど...と考えたら津波の恐ろしさを実感しました。1年生である私には難しいボランティアではありましたが、参加して良かったと思っています。

コミュニテイ政策学部1年 ボランティアセンター常任支援員 若狭啓太

【第1班】5/1(日)~5/5(木)

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ボランティアをすることの意味を改めて痛感しました。善意のみならず、事前の入念な情報収集と、現地入りしてからの自発的な行動力が重要です。これから宮城支援ボランティアに参加する方、参加しようか考えている方には、このことをよく考えてほしいと思います。

社会福祉学科 4年 ボランティアセンター常任支援員 坂井田 圭二


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桑浜清掃での休憩中、漁師だというお父さんが話しかけてくれました。私たちが千葉から来たことを知ると、「俺もよく漁で銚子まで行くんだぁ。千葉もいいところだなぁ」と、嬉しそうに話してくれました。私が「ここの方が綺麗でしょう。」と返すと、「普段はもっと綺麗だ。いつか元の海見せてやる。」と、誇らしげに笑ってくれました。家も、家族も友達も財産も奪い取って行った海を、まだこんなに愛しているんだという事実に強く衝撃を受け、私たちにできることを、何年掛かってもやっていこうと決心することができました。「元の海を見せてやる。」と言ってくれたお父さんの強い気持ちに、188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@ボランティアの一員として、精一杯応えて行きたいです。私も、元の雄勝の海を見たいと思います。

 実践心理学科3年 ボランティアセンター常任支援員 倉持裕子


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ボランティアセンターの仕事について、初めての仕事でした。大変でしたが、やりがいのある仕事でした。現実で見るよりも遥かに凄惨で、言葉を失いました。これから日常で会う人達にも、伝えていきたいと思いました。

社会福祉学科1年 ボランティアセンター常任支援員 ? 大木達也


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今回初めて宮城県の支援ボランティアに行きました。まず、大須小学校に行くまでの間、車の中で地震と津波での被害状況を見ました。初めて被害状況を見て、まず、言葉を失ないました。テレビのニュースで見るより、被害状況が凄まじく、すごく恐怖感を感じました。これからは、このことを知らない人たちに伝えていきたいと思います。

社会福祉学科1年 地域支援ボランティアセンター常任支援員  近藤大樹

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時間を忘れた五日間でした。あの中で、私は物理的な手助けしか出来なかったと思っています。しかし、一緒に作業したお母さんが笑顔で亡くなった旦那さんのことを語っているのに触れ、誠実に活動することが心理的な手助けに繋がっていくのだと感じました。死別の痛みを、まだ会って間もない私たちに伝えてくれたことをとても嬉しく、そして悲しく思います。今もあの地に生きる方のために何が出来るのか、これからも探し行動していきたいです。

社会福祉学科1年 地域支援ボランティアセンター常任支援員  嘉山さゆり


計画停電以来、生活のペースが乱れ、体調を崩し、入院された高齢の方がいました。TVニュースを見て夜泣きした子どもや、赤ちゃん返りが目立つ子どもの相談も増えました。余震で独りで眠れなくなった子どももいます。

また、例年不登校が減る3月に不登校となる発達障がいの傾向があるお子さんも目立ちました。新年度の学校のざわつき感も、例年より相談室利用が高まる印象を与えます。

私たちの身近にあり、気がついていないこれらの被災の影響がどのように私たちの日常に影響を与えているのかを取り上げて、間接被災を考え、震災がもたらす緩やかな困難や不安を明らかにし、二次被害を減らし、健康維持を図る「減災」を考えます。

188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@心理臨床センターは、地域に根ざした活動を目指して「地域支援事業」を例年6月に、また、学校教員の方々を対象とした「教育支援事業」も例年7月に開催してまいりましたが、今年度は、地震の影響下での暮らしや、震災ストレスを抱えた児童?生徒のみなさんをささえる方々を対象として、下記のとおり講演会?座談会を企画いたしました。

  • 日 時  平成23年6月11日(土)? 12時50分受付開始 13時20分開会         【講演会】 13時30分~14時45分         【座談会】 15時00分~16時00分
  • テーマ   「私たちにとっての被災体験」
  • 講 師   188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@総合福祉学部教授?心理臨床センター相談部主任 小川 恵 先生
  • 会 場   188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@千葉キャンパス 12号館101教室
  • 定 員   250名
  • 参加費   資料代として、当日500円を受付にて申し受けます。
  • 参加方法 下記要項?申し込み票をダウンロードし、良くお読みの上で事前にお申し込みください。         公開講座「私たちにとっての被災体験」要項?申込書.doc
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コミュニティ政策学部の矢尾板先生が、5月5日に六本木ヒルズで開催された「ハートタウンミッション」プロジェクトのキックオフミーティングに参加しました。 以下、矢尾板先生のレポートです。


「ハートタウンミッション」は、自治体、企業、NPOなどが連携して、被災地支援活動のためのプラットフォームで、現場の必要性に応じてすぐに具体的に動く基礎的自治体と企業、NPO等との連動による積極的な復興支援活動を、市民を巻き込んだ形で国民運動的に展開できる枠組みを構築するための活動を行っていきます。

共同代表には、三重県松阪市山中光茂市長、佐賀県武雄市樋渡啓祐市長、特別支援アドバイザーとして現時点では、溝畑宏観光庁長官、福岡正行白鴎大学教授のお二人が協力をされる予定です。事務局は松阪市に置かれます。

当日は、戸羽太陸前高田市長もお越しになり、陸前高田市の現状をご報告いただきました。
今後の復興プランにおいて、研究者としても全力で協力をしていかなければならないと改めて決意と覚悟をしました。

私自身も、このプロジェクトに参加し、活動をしていく予定です。輪を拡げていきたいと思います。ぜひ、ご協力ください。

議論の模様は、以下のユーストリームのURLからご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/recorded/14490727

※私は、2時間12分57秒頃から提案をさせて頂いております。

現地に拠点を作り、そこで情報収集と分析、行政や企業との連携による対応策の決定を行うことが重要なのではないかと申し上げさせていただきました。


【当日の主な出席者(敬称略)】
 三重県松阪市長 山中光茂
 佐賀県武雄市長 樋渡啓祐
 大阪府箕面市長 倉田哲郎
 京都府京丹後市長 中山 泰
 静岡県熱海市長 齊藤 栄
 神奈川県大和市長 大木 哲
 前静岡県富士宮市長 小室直義
 GS世代研究会座長 西村 晃
 ハリウッド(株)
 特定非営利活動法人 日本災害救援ボランティアネットワーク理事長 渥美 公秀
 白鴎大学教授 福岡正行
 188体育平台_188体育博彩-【官方唯一授权】@専任講師 矢尾板俊平 他


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会議後に参加者の一部で撮影した写真です。私(後列左から7人目)の隣におられるのが陸前高田市長さん