栄養学科の実験実習を覗いてみよう③『臨床栄養学実習Ⅱ~治療食を作る~』

今回は、3年生前期に行う臨床栄養学実習Ⅱについてご紹介します。

臨床栄養学では、病院管理栄養士の業務の1つ、さまざまな疾患や病態に対する栄養管理について学ぶ授業です。実習では、ある疾患を持つ患者さんがいると想定して、どのような栄養管理が適切か、どのような献立を提供するか、病院管理栄養士の業務を実践します。「Ⅱ」というからには当然「Ⅰ」があるわけですが、こちらは2年生後期に行われます。

さて、今回の授業は「がんサバイバーの方への栄養管理」がテーマです。前回までの3回の授業でがんに対しての症例検討(疾患を持つ方の食事や栄養面の問題点を見つけ、どうすれば適切な栄養素量やエネルギーが摂れるか、検討することです)を行い、今回は自分たちでたてた献立を実際に調理します。臨床栄養学実習では患者さんにおいしい食事を提供することも学修の1つなので、調理実習も行います。

前回の授業でがんサバイバーの方の病態や副作用について調べ、その方の家族構成や職業、生活習慣、そして必要な栄養素量?エネルギーを自分たちで設定した上で献立を作りました。食材の発注書も自分たちで作ります。

きちんと身だしなみを整えたら調理開始です。グループワークで行うので、班のメンバーで協力しながら進めていきます。

調理実習も3年目なので、手際よく進められています。

調理が終了したら献立の設定やポイントについて発表します。班ごとに発表し、先生から講評をいただきます。他の班の人たちは熱心にメモを取っています。

 

発表がすべて終わったら試食です。自分たちで作ったものはもちろん、他の班で作った献立も試食して勉強します。試食することによって、その献立がその副作用に適した献立なのか、改めて検討できます。

この日作成された献立の1つです。この班では副作用に吐き気や嘔吐、食欲不振があるという設定で献立を作りました。食欲不振の方でも食べやすく、さっぱりとした味わいのほうじ茶のお茶漬け、豚しゃぶ、ほうれん草のお浸し、ぶどうゼリーです。写真ではわかりにくいのですが、お茶漬けのごはんは三角のおむすびに握られています。