遠隔授業でもリアルを追求した「基礎看護学実習Ⅱ」を行いました

基礎看護学実習Ⅱ(2019年度分)が7月27日より8月4日まで行われました。

 

2019年度基礎看護学実習Ⅱ(2年生対象)が行われたのは、未知の感染症であるCOVID-19の第1波の拡大の時期(2020年2月~3月)であり、一部の施設での臨地実習ができなくなり、24名の学生さんが待機せざるを得ない状況にありました。3月に一部のプログラムを行い、改めて実習を受けてくださる施設を探して、この7月27日から臨地実習を予定していたのですが、第2波の到来により、再び臨地で行うことができなくなり、遠隔での履修を余儀なくされました。8月末より、次の臨地実習科目である「成人看護学実習Ⅰ」の履修を控えているため、この時期にどうしても履修しなくてはなりません。

 

臨地実習科目ですから、リアルさが問われます。

紙上患者を用いてアセスメントし、看護援助の内容と方法を決定していくプロセスを重視した実習です。紙上患者の情報のリアルさも重要ですが、その見え方も重要です。病院で使っている電子カルテを模した形で学生さんに情報を提供し、必要な患情報を収集してもらいます。

 

 

この電子カルテも教員の手作りです。タブをクリックすると血液検査結果だけでなく、レントゲン検査結果の画像も見ることができます。

 

 

カルテ情報だけでは患者さんへの看護は提供できません。臨地実習では毎朝、受け持ち患者さんのところへ出向き、実習開始のご挨拶とともに、体の具合や食事?睡眠といった基本的な療養生活の状況を伺います。今日はその演習をオンラインで行いました。予め、オンライン会議システムを通して、どのように声掛けを行うのか、どのような情報を得るのか、学生さんどうしで戦略を練っています。

 

さて、本番です。

紙上で示された患者さんは、実際どんな方でしょう?

仁戸名淑子さん(仮名) 82歳 救急車で運ばれ緊急入院になった方ですが、内服治療と安静療法のみで経過は順調、バイタルサインズの問題がなければ活動範囲が徐々に拡大されていく予定です。比較的お元気そうですね。

 

このチームの代表はA子さん。チームの代表だけでなくチームメンバーもオンラインでつながっています。自分が病室に行った気持ちになって????。

 

A子さんは素敵な笑顔で「おはようございます。昨夜は眠れましたか?」とさわやかに仁戸名さんに声を掛けます。仁戸名さんは「あなたとうちの孫は同じ歳なのよ。こんな風に気にかけてもらって嬉しいわ!」と少し興奮気味でおしゃべりが止まりません。いろいろと会話がはずみましたが、A子さん、聞きたいことを十分に聞くことができましたか?

 

 

病室のリアルさは実習室だからこそできる演出です。病室を演出する小道具もたくさん用意しています。それぞれ患者さんにとって意味のあるGoodsなのですよ。患者さんの気持ちを想像するために鍵となる重要な小道具たちです。こんな風にして撮影していたのですね。

 

 

全体風景はこんな感じです。

リアルさを演出するために教員たちは相談に相談を重ねています。そいうことは‥‥仁戸名淑子さんは教員?!‥‥そうなのです。気が付いていた学生さんもいましたが、全く気が付かなかった学生さんも‥‥。そのあとに行われたグループワークの際にグループの仲間が「〇〇先生が???」と話したのでそこではじめて気づいたそうです。

 

臨地実習での学生さんの学びが最大限になるように支援するのが教員の役割ですが、コロナ渦にあって、臨地実習が叶わず、学内演習もしくはこのように遠隔での演習を余儀なくされる事態もあるかと思いますが、学生さんの学びが最大限になるよう、教員一同、精進していきます。